「もしもワルツに香りがあったなら」
第3回目は、クラシック音楽、ヨハネス・ブラームス作
「ワルツ集 作品39 より15番」のイメージを調香してみました。
ふだん積極的にクラシックを聞く方ではないのですが、この曲はNHKの
Eテレの「23:55」や、auのCMだったり、映画などでよく流されているので、
たぶん、みなさんも聞いたらすぐにわかるのではないかな、と思います。
2分足らずで終わるとても短い曲なのですが、心地よくて大好きな曲です。
ちなみに、この曲はブラームスが32歳のときに書かれた曲なのだそう👀!
いま、同い年の私。なんとなく縁を感じたこともあり、今回は、愛のワルツ
とも呼ばれるこの曲をイメージして、調香してみることにしました。
真っ先に浮かんだのは、夜のイメージでした。
穏やかな満月の夜、静かに波打つ輝く海を、手漕ぎのボートでわたるような。
ゆらゆらとたゆたう、心地よいゆらぎ。
記憶の中で子どもだった時間を回想するような、静かで穏やかな時間。
ほのかにあたたかく、慈しみにあふれたイメージです。
選んだ香りは、穏やかな懐かしさやあたたかさをくれる、マンダリン、
優しくふわりと包まれる、子供のころの記憶には、素朴で優しいパルマローザ。
明るいもやのような霞、時空を超えるイメージを持つ、フランキンセンス、
静かな水面のきらめき、穏やかな月の光はベルガモット。
薄紫の夜空に、しっとりと漂う空気はラベンダー。
今日も一日、楽しかったなあ…、と、静かに満たされて眠るような、
そんな香りになりました。
社会の一員としてや、親としての顔、そんないろんな顔を持ちながら日々を忙しく
過ごしていると、好きなことや、やりたいことがあったはずの自分が、
置いてけぼりのように感じる時があるけれど、
この曲は、ここに、ほかのだれでもない、ひとりの自分がいることや、
だれかに愛されている、愛されていた記憶があるということを、
思い出させてくれるような、愛にあふれた曲だなぁと思うのです。
Date:2016.3.17
Title:「記憶のゆりかご (Cradle of memories.)」
File:003/idea from〔 ワルツ集作品39より15番 / ヨハネス・ブラームス 〕
Blend:
マンダリン(あたたかく優しく、心をゆるめるような香り)
パルマローザ(懐かしい記憶を呼び起こすような優しい花の香り)
ベルガモット(水面のきらめきや月の光のイメージ)
ラベンダー(しっとりと湿度のある穏やかな香り)
フランキンセンス(薄霧やもやのイメージ。古くから瞑想に使用されている香り)