「もしもキキの旅立ちの時、香りがあったなら…」

記念すべき1回目は、私の一番好きなジブリ映画「魔女の宅急便」の

ワンシーンを香りにてお届けします。

好きなシーンはたくさんあるのですが、今回選んだのは、キキが、

家族のもとを離れて、新しいスタートを切る、旅立ちのシーンです。

わくわくいっぱいで、もう希望だけしかない、ちょっと強気な、勢いのある旅立ち。

このシーン、キキはまるで、風そのもののようだなぁと、いつも思います。

自分の中に強い風が吹いたとき、今だと思って決めたなら、へたくそだって、

ぶつかったって、勢いのまま、気持ちのままに踏み出すのよ！、と体現しているかのよう。

大きな木にぶつかっても、まるで気にせず飛び立っていくキキ。

きっとその場には、キキに衝突された(笑)、深い緑色の木々の香りがしているのでしょう。

そして、家族や友達の声に見送られ、にぎやかにベルを鳴らしながら突き進んでいく

キキの気持ちには、レモンやグレープフルーツの香りのように、

明るく勢いにあふれた、フレッシュな香りが似合います。

また、スーッとした甘さのあるユーカリは、

強いけれど、決して厳しい風じゃない、キキ自身のイメージです。

いつだって、前しか見てないキキ。

湖の上に出たころには、もう、見送ってくれたみんなのこと、忘れてるんじゃないかな。

でも、いつも、そんなキキの前向きさに、大人になるほど勇気づけられているのです。